シガだねレポート|食の力で滋賀県をブランディングするプロジェクト『シガだね』

シガだね
レポート

CATEGORY | 滋賀

国産ぶどう使用、滋賀の『にごりワイン』。 【 ヒトミワイナリー / 東近江市 】栗田 智史さん

2021.05.13

writer | シガだね編集部

国産ぶどう使用、滋賀の『にごりワイン』。 【 ヒトミワイナリー / 東近江市 】栗田 智史さん

今回は、滋賀県東近江市にある
『ヒトミワイナリー』さんにお邪魔してきました。

ヒトミワイナリーさんの特徴といえば、
何と言っても、『にごりワイン』。

そもそも、
設立当初はにごりワインというものは無く、
美味しいワインを追い求めては研究の日々だったそうです。

そんな時、ふと思い出したのが
朝タンクからすくって飲んでいる
『にごったワイン』。

製品の前々段階の状態でしたが、
作り手達が感動したと言うその味を商品化することに。
型にはまらない新たな試みは、お客さんからも大好評!

ここから、ヒトミワイナリーの代名詞、
『にごりワイン』が始まった訳です。

今回は、ワインの基礎知識や、
にごりワインとはなんぞや?と言うことを
店長である 栗田さん にじっくりお伺いしてきました。
ぜひ、覗いて見てください!

ワインの知ってること、知らないこと

まず、ワインの原料となる葡萄(ぶどう)について。

そもそも、私達が普段食べている”葡萄”と
ワインに使われる”葡萄”はちがうってこと知っていましたか?

糖度の高さにかなり違いがあり、
基本的に糖度の高いものは生食用として、
酸の割合が高く、果実味のあるものはワイン用として重宝されます。

ちなみに私が一番驚いたのは、
私たちが普段食べている『生食葡萄』の割合。

世界のぶどうの割合の中で、
生食葡萄って、全体のたった”3%”なんだそうです。
その他、93%がワイン用のぶどうで、残りがレーズンなどの加工ぶどう。

びっくりですよね!
日本では食べる葡萄が主流ですが、世界で見てみると全然違う。
同じ食材でも使い方によって、良しとされる”味”自体も違ってくるなんておもしろい
ですね!

しかし!ヒトミワイナリーのワインには、
“デラウェア” と言う "生食用" の葡萄が使用されているんです。

デラウェアとはそもそも、
アメリカで生食葡萄として親しまれていたもの。

『そんな甘ったるい生食葡萄をワインにするなんて!』
という偏見から、批判の声もかなり多かったみたいです。

それでも、ヒトミワイナリーが
生食葡萄でワイン作りに挑戦した理由…

“それは、日本の葡萄(ぶどう)の良さを伝えるため!”

日本で作られる葡萄は、とても美味しい。
大地の豊かさや気候が影響し、
外国産のものに比べて、日本ならではの
適度な糖度を保った美味しい実が出来上がります。 

目的のため、あえてリスクの高い方法にこだわり続け、
唯一無二の方法を追求した結果、
こうして洗練された今のヒトミワイナリーに。

ヒトミワイナリーの代名詞

そして、最大のこだわりである『にごり』。
にごりとは、濾過していない状態のことです。
通常は、この濁った状態のワインを濾過し、口当たりを滑らかにしますが、
ここでは、一切濾過しないため一つ工程が減り、通常のワインよりも空気に触れる時間が少ない。
より、果実本来の美味しさを味わうことが出来ます!


日本酒ですと、うす濁りや無濾過などが割と主流ですが、
ワインとなるとかなり珍しい・・・!
『 日本の葡萄の良さを伝えたい!』
そんなヒトミワイナリーさんの思いが丁寧に表現されています。

そして、お酒作りで重要な酵母は『野生酵母』を使用。

野生酵母とは、もともと空気中、土壌、植物をはじめ自然界に存在しているすべての酵母
のことを言います。(⚠︎ 蔵付き酵母、家付き酵母とも言う。)

野性酵母で作るワインは昔ながらのやり方ですが、滋賀県はワイン造り、ワイン用の葡萄作りにも不向き。
酸味が落ちて糖度が上がってしまうため、逆に生食ぶどうはすごく美味しく出来上がるんです。

この環境下、自然な状態でワイン作りを行うのは腐敗が進むという可能性も高まり、とてもハイリスク。

それにも関わらず、
“ 私たちがやらなければ誰がやる!” と言う
心意気でワイン造りに取り組まれています。

野生酵母の特徴は、蔵にある酵母が毎日一緒だとは限らないため、
管理が出来ないと言うことです。

外的要因によって、普段そこに住む酵母達が支配されてしまったり、
力の差や相性によって、環境はめまぐるしく変化します。

ヒトミワイナリーでも現在は、見学中も醸造所の中に入ることは出来ません。衛生管理や、野生酵母が働く環境を整えるため、できる限り同じ環境を保つことが徹底されています。

以前お話しした、日本酒の話とも通じますよね!

適した環境や整った条件に頼らずとも、
目的を見失わなければ、こうした想像以上の結果が生まれると言うことを身に沁みて感じました。

自然に寄り添うワイン造り

環境を整えているといっても、
全てが完璧に毎日揃うなんてことはありません。野生酵母なら、なおさらです。

そもそも、仕入れる葡萄の作り手、
糖度の高さ、醸造所の状態、瓶詰めの日….
ワインの味を決める要因は本当に様々です!

以前は、補糖や酸化防止剤を使って
味を調節し、帳尻合わせを行なっていたそうですが、
今はより!自然な製法で作るようになったため、味のちがいが出やすくなっているそうです。

しかし、ヒトミワイナリーではその事をあえて口外し、同じ製品の中でもさらに細分化することで、それぞれの魅力を引き出しています。

今回、スタッフの中でもお土産として人気だった『 h3 Caribou lot2 』も、その一つ!

同じ製品でも、少しの差で好みが分かれますし、より自分のお気に入りと出会う事がで出来る。
選ぶ幅が広がって、より一層楽しくなります!

取材を終えて

取材後、試飲もさせていただきました!
中でも衝撃的だったのが、今後販売予定のこの一本。
『 Lush Delaware 2015 』

まさにレモンを丸かじりしたような感覚で
ワインの固定概念が一気に崩れました!
塩の効いた魚の塩焼きなどにとてもよく合うそうです。

他にも、チキン炙って一緒に食べたいな〜!
ハンバーガーとかサンドイッチもありだね〜!!
と話が弾み、ピクニックやBBQなどこれからの季節にピッタリ。

詳しくはぜひ、ヒトミワイナリーさんの
公式HPやアカウントにてお確かめください。
http://www.nigoriwine.jp/HWHP/web/main.html

本日はありがとうございました!!

CATEGORY | 滋賀

国産ぶどう使用、滋賀の『にごりワイン』。 【 ヒトミワイナリー / 東近江市 】栗田 智史さん

2021.05.13 writer | シガだね編集部